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祝の銀蛇輪

拙作、「かみわたし」以前より、長野県諏訪地方に縁あってお伺いするようになってから、普段からその御縁を感ずるべく身に付けるアイテムなどがほしいなあと思っておりまして。 御札やお守りはなにげにカバンやら財布に忍ばせているのですが。  普段身につけられるようなシルバーアクセが欲しいと思ったのが数年前。 事あるごとに作れそうなところに話をしたりしていたのですが、この度ついにその第一弾が出来上がって参りました。 御覧ください!

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普段使い!?(笑)

その存在感と迫力に、普段使い用という当初目的はすでに「どうよ?」という気がしないでもないですが。  本気度レベルの高さには笑うしかありません。  明らかにおしゃれ着です。
魔術結社の集会や、サバトにもってこいのおしゃれ着用マジックアイテム。 
制作担当の魔導工房さん http://ms.kadaru.info/ に 「名称どうシます?」と聞かれましたので”祝の銀蛇輪”と命名しました。  以下にデザイン案と解説・由来などを紹介していきますのでよかったら見てやってください。 

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デザイン案です。 他にももっとあっさりしたものがあったのですが、今年は蛇年だということもあり職人さんが乗り気になられたということで、一番大変そうな鱗をまとった蛇デザインになりました。 関西在住の職人さんですが、諏訪地方で神職につかれていたご先祖がおられるとかで「マジかいな!?」と驚いております。

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ーーーーー解説(名称由来等)ーーーーー

祝(ほおり)とは、神々に祝福された者のことであり。 広く神職も意味しております。 特に諏訪地方では、明治に至るまで諏訪大社の祭神・建御名方命の末裔といわれる諏訪氏が神職と支配階級を世襲し、建御名方命そのモノが現世に顕れた現人神たる神職=”大祝(オオホオリ)”を務めていました。 日本という国号が使われてから千数百年。 数度の戦乱を経て、各地で支配者層が入れ替わってきた歴史の中で、明治時代までその土地に根付いて実効支配力を有しつつ命脈を保ちつづけたのは諏訪神氏と現天皇家くらいではないでしょうか?(いろいろご意見あるかとは思います)。 さて、上述の大祝以外にも諏訪には代々世襲されてきた神職=五官祝が存在していました。 その中に、早苗さんのような”風祝”の神職はありませんが、古い文献には”風祝”の名称を見ることが出来ることから、他の神職(大祝)と兼任されていたのではないかと言われております。 風神録の設定と同じような神々の二重構造が、モデルとなった諏訪の神話にも存在しており。 京都の朝廷から見た日本神話における諏訪大社の主神=建御名方命と、縄文期より延々と諏訪に受け継がれてきた自然信仰の象徴たる神が習合し息づいているのがこの地方の魅力ともいえるでしょう。 この指輪には、東方Projectの守矢一家と共に、モデルとなった聖地=諏訪の神々を同時に象徴し、古来より神意を表す象徴として用いられた意匠を意味あるカタチで盛り込んでみました。 更に上述しましたが、作ってくださった職人さんは実家の血筋をたどると諏訪の神官に繋がっておられるとか、偶然にしても洒落になってません(笑) そんな訳でマジモンの護符としてもお勧めいたします。 

ーーーーー解説(モチーフ・素材等)ーーーーー

素材:銀=魔を打ち払う力があるとされ、こういうアイテムには必須の素材ですw ここのところ金とともに、すんごく値上がりしました(ノД`)

表面:蛇=古来より龍と同一視されますが、地を這う姿はより土地に根付いた信仰と自然を司る神の象徴として扱われるとともに、自然から人に与えられた恩恵(知恵・生殖能力)の象徴とも言われます。 諏訪の主神は蛇神と言われており、東方風神録の主要キャラ=八坂神奈子を象徴しています。

指輪中央五芒星:五芒星は洋の東西を問わず”魔除け””敵を打ち払う力の象徴”として使われてきた紋様です。 早苗さんの弾幕でも大活躍w

指輪中央の石:糸魚川の翡翠です。 この翡翠は古代から神意や王権の象徴として用いられており。 そういった意味でも、この指輪にふさわしい・・・月並みな言い方ですがパワーストーンといえるでしょう。 何と言っても「厭い川の翡翠」ですから東方Projectという作品とも結縁していると言えますね(笑) 魔導工房のスタッフさんが2月の出張の折に手に入れてきた新鮮な産地直送品であります。 糸魚川の翡翠の女神=沼河比売命(ぬなかわひめ)は、諏訪の主神・建御名方命のお母さん。 つまり考え様によっては神奈子のお母さんですw そして源符「厭い川の翡翠」を使うのは諏訪子。 ・・・深いですね。  縄文期から古墳時代にかけて日本では翡翠を使った勾玉などの装飾品が使われ、近畿や出雲地方などで多く出土していました。 ところが翡翠がどこで産出されたのか伝承が失われてしまっており、朝鮮半島や大陸でも同質の勾玉が発掘されていたことから、長く大陸から伝来した”玉”の文化だと思われていました。 昭和13年に、古事記の神話や文献資料から産地を推測した大学教授の依頼で調査をした結果、再発見されたという、ロマンあふれる宝石です。

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裏面:蛙(ZUN帽)=蛇に追われ食われる蛙・・・生命の流転と陰陽を蛇とともに象徴します。 蛇に食われようとも捕食者の蛇よりも地に溢れ、人々が目にする機会の多い蛙は、(子宝と子孫繁栄)を示す自然信仰の象徴でもあります。 言わずと知れた諏訪子の中の人(中の人などいない)。

普通に装着している場合は、ちょっと装飾的な意匠の凝った指輪・・・しかしてその実態は!

ギルドやら秘密結社のメンバーのごとく、手のひらを向けて洩矢諏訪子様への信仰を密かに確認しあうためにもお勧めです。 尚、多くの方に「怖い!&なにこれ?」と大好評の背景は、京都の壬生あたりを探索すると発見出来ますので、新撰組ゆかりの地に行く機会などございましたら探してみてくださいw

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で、最後になりますが。 諏訪地方で採れる宝石などないものだろうかと検索しましたら、ありました。 それが和田峠の柘榴石(ガーネット)です。 現在では採掘が禁止されているため、行く度に「欲しいなあ、どっかで売ってないかなあ」とか言っていたのですが、採掘禁止前に所有されていた方からあっさり譲っていただくことが出来まして。 それを指輪に装着して戴きました。 それがコレ↓です。

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諏訪は、3つの大陸プレートが交錯する場所であり、周辺にはその地球規模の活動によって過去に噴火をした火山が多数存在しています。 和田峠の柘榴石は御射山祭が行われていた霧ヶ峰の太古の火山活動によって生じた鉱石で、一般的な柘榴石のイメージ色=赤とは違い、黒々としています。 結晶面の反射度合いが高くて綺麗だったのでそちらは研磨せずに野趣的な趣を優先しました。

まさかこんなに禍々しい雰囲気を醸しだすとは(笑)

多分コレを使えば、平成仮面ライダーのどれかに変身できるんではないかと・・・
ちなみに、翡翠より加工が難しくてウン万円余分にかかってしまいます。 ひょえーーーー!
実物は、今週末5月26日に開催される東方例大祭10の スペースNo:に-37a 魔導工房さんで展示されておりますので、興味ある方は是非見に行ってください。 ちなみに翡翠verで単価一個5万円ほどかかってしまうそうです。  高価だとは思うんですが、他では見ない逸品ですので、お気に召しましたら是非!

単行本が出ておりました!

2011年の7月から少年画報社の月刊少年キングアワーズで1年間連載しておりました「かみわたし ~神様の箸渡し~」が完結し、単行本が発売されております。 2巻が発売されたのが10月30日、ようやく色々区切りがついた感があります。
読んでいただいた方々の感想も概ね好評のようでホッとしております、まじめに作品に取り組みましたので是非手にとって読んでみてくださいね。

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さて、二巻の終わりまで読んで頂きますと「あれ、ちょっとわかりにくいな」と思える設定もあったことでしょう。 特に結界の内側から出てくるところ。 何故出ることが出来たのかその理屈が多少説明不足といいますか描かれておりません。 

実は色々考えてたんですが、複雑かつ冗長だということで話と時間がスムーズに流れることを優先させて色々端折っております。  それを細々作中やら単行本で説明するのもみっともないことですので編集さんともご相談させていただき、雑誌及び単行本のような形での発表となったわけです。 
とは言え、ここまで見に来てくださっている方はかなりマニアックな方でしょうから考えていたものの作中で明かさなかった設定の一部でも披露させていただこうかと思います。

①没案(宮坂健の要因大パターン)
諏訪を中心に信州中部地方&関東には神氏(みわし)と呼ばれる諏訪の神様の末裔である方々が多数住んでおられます。 どれだけ多数かというと名字の数だけで20~30はあり、多分諏訪湖を中心とした界隈に住んでいる方々は多かれ少なかれそういう一族の末裔だと思っても間違いじゃないんじゃないかなと思えるほどです(笑) ですから先祖返りとして結界を操る能力を主役の男の子が持っていても良いんじゃないかなとも思っておりました。 閉じ込められている”真の理由”なんかも中二的に他にも作ったりしてましたが。  でもそれ、ご都合良すぎてちょっと覚めるかなーと思って基本的にボツにしてあります。

②テルヒメの変化?
誰がどういう立場でどの場所にいるのか? この結果認識によって存在する位置付け自体が変わります。 人は物質に縛られていますがテルヒメは違う。  基本的にはこの要素の変化が起こったことによって結界が意味をなくした方向で考えていただければ問題ないと思います。 ちょっと想像してみて下さい<(_ _)>

③イナバの肩代わり?
先代が居たということで色々あったんだろうなとw

僕は色々想像する余地があったほうが完結した作品でも好きですので、このような形を取らせていただきました。 ただ唯一”矛盾するけど、まいっか!”で描いちゃった部分があります。  それが単行本2巻の帯の部分。  江戸時代に”ウサギの彫り物”が本殿に出来て以降「ウサミミが自然に生えてきた」と描きましたが、あのテルヒメは江戸時代には意識連続体として存在してない設定です。  最終巻だから、ちょっと遊んでしまいました。

では、また次回作でお会いしましょう!

C82  夏コミ情報

 日本ワルワル同盟  配置場所は二日目 8月11日 西1ホール れ-53a です。
よろしくお願いします<(_ _)>  3日目 東2ホール Mブロック-13a にも少しだけ委託しているかもしれませんw

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今回ちょうど「リンちゃんなう」というボーカロイドの動画にはまっておりまして、それで本1冊作ってしまいました(^^;) 数年前たこルカのグッズとか本とか作ったことありましたが、再度作ることになるとは想定外ですw 内容はかなりアホw

後、もし出来るようなら折本で以下の様な本も出したいなあと・・・一発ネタのアホな内容です。
こっちはなくても勘弁して下さい~

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供養

人の生死を扱った内容ですので、こちらでずっと公開するかどうかわかりませんが、父の死去に伴いつらつらと文章をつづってみました。 宜しければ読んでみて下さい。
2012年3月4日 有馬啓太郎 拝
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2012年1月某日午後2時24分  父・政勝が死んだ。 自分は丁度原稿の入稿を控えて必死に作業中であり、部屋にはアシさんもいた。 その二日前には父と電話で会話をし翌日には見舞いに行くと伝えてあった。 数時間前まで意識はしっかりしており、急変したらしい。 母が車に父の着替えを取りに行って帰ってきたときには目をむいて悶絶状態になっていたそうだ。 おそらく急に気管が詰まってしまったのだろう。 ガンが食道と気管を圧迫しているという報告は受けていた、だからそのせいで急に気管が詰まったりしないよう管を通して気道を確保するといった処置を決めたばかりの出来事だった。 
ガンの告知を受けたのは1年ほど前、肺ガンだった。 抗ガン剤治療を続けてはいたが、昨年秋頃から再発したガンの進行は早く、年末から病状は急激に悪化。 一週間ほど前に余命はひと月程度との宣告を受けていた。 とほいえ先述のとおり二日前には話をしていた事もあって、まだ余裕があるような気がしていた。 気にしていた事もあったから、次に会ったらそのことについて話をしたいと思っていた。 母がずっと病院に詰めていたので仕事が終わった後には交代して二人きりになったときにでも話そうかと思っていた。 結局、余命宣告をされた際に少しだけ話をしたのを最後に直接会って話をすることはできなかった。 この商売をやっていると親の死に目に会えないなどと良く聞いたことはあったけれど、本当にそうなるなんて思ってもみなかった。 ビックリだ。 
正直、父のために出来たことなんてあまり思いつきません。 だから思い出を文章にして、こうやって発表しようと思いました。 変なところで父と私は似ていると思っていますし、数ヶ月前に苦笑しながら父もそう言っていました(主に駄目な方向で)。 だとすれば、誰かの心の隅にちょこっと記憶として残っているのは多分嬉しいだろうと思うので、良かったら読んでやってください。
「お前と俺は変なところが似ているなぁ」と私に対して言っていた父は、息子の自分から見ても結構な変わり者だったと思う。 今まで数人の友人に紹介したことがあるけれども、皆一様に「面白い人だ」という評価をしてくれていますし、皆の感想から察するに印象に残るタイプの人であったであろうと思っています。 
大学を出た後に親類縁者の会社に勤めたあと数年で退社。 仕事を何箇所か転々とした後、友人主催の雑誌立ち上げに参加してオール関西という雑誌の記者をしていたとのこと。 自分が物心ついた頃には記者を辞め、土地・建物・地域開発関係のマーケティング会社を立ち上げ関西電通さんの下請業者としてコンサルティング業をしておりました。 どうやら雑誌記者などをする傍ら関西一円の住宅マンション等の広告チラシを集め続け、地域ごとの価格動向などを把握することでコンサルとしての立場を築いていったようです。 バブル期にはソコソコ景気が良かったようです、バブル絶頂のさなか末○興産の社長に「生涯年収の何倍もする住宅を売り続ける商売なんてもつわけがない」と言ったら仕事干されかけたけど、お陰でバブル崩壊の後も仕事をもらえたw などとよく言っておりました。 その後、時代の移り変わりとともに経験と独自の情報収集能力で生き延びてはいたものの、徐々に仕事が少なくなり、ここ数年は”会社は在っても開店休業”状態で苦しい懐事情であったようです。 「さっさと会社をたためば良かったのに・・・できなかった」と11月頃に口にしておりました。  「お前もそうだが・・・俺もなんというか芸者みたいなもので、結局舞台に上がって踊るのが好きなんだな」「もうやめよう、と思っているのにお座敷から声がかかるとな、なんか嬉しくなってひょいひょいお座敷に出ていってしまうんや・・・・だからな会社つぶし損ねてしまった、ロクに売り上げないのになあ」「・・・最後のお座敷はせっかく呼んでもらったのに、うまく踊れなかったわ」そんなことを言っておりました。 変なところが似ている息子としては、わが身にも痛切にかぶってくるその言葉にどう返答すべきか悩んでしまって、ずっと答えを考えていて、自分なりの回答を伝えることなく逝かせてしまったのが少し心残りです。
子供の頃の父との思い出はほとんどございません。 忙しく働いていた父はせいぜい週に1日くらいしか帰宅せず、ずっと会社にこもっていたようです。 知らないところで何かあった可能性も否定はできませんが、自分と変なところが似ているので浮気とかそんなんじゃないだろうな~と想像がつくのは・・・少し悲しいですが、まあそんな感じ。 家族旅行などもほとんどした覚えがありません。  父とまともに会話をするようになったのは高校生になってから、仕事の手伝いでバイトをするようになってからでした。  父がプレゼン用に使う地図の色分け作業、今ならパソコンで一瞬に出来てしまうような作業ですが、当時は刷り出した資料を丁寧に色鉛筆で塗り分けていました。 「なんだ、今まで近所の大学生とか専門学校生使ってたけどお前の方が上手いな」と言われたのがすごく嬉しかったのを覚えています。 内容的に関係ありませんが、自分はとても残念な子供でしたので、何か実際に社会に対して役に立っているような感覚を得られたのは非常に貴重な経験だったと思っています。 また、父の仕事内容を聞くようになって、いろいろ目的意識を持つようになったのもこの頃でした。 父の仕事は先述しましたとおりマーケティングリサーチとコンサルタントです。 顧客がどのような商品の求めているのか、商品の存在をどのように伝えれば買ってもらえるのか。 そういった提案をすることでお金をいただいておりました。 正直今の自分にはそれだけで商売が出来るとは全く想像が出来ないのですが、少なくともそのような思考が存在することを知ったことで、自分自身の行動に重要な理由を(言い訳)をでっち上げることが出来るようになりました。 私は子供のころから徹頭徹尾漫画家になりたいと思っていたのですが、おかげでこの頃受験をするということに非常に嫌気がさしていたんです。 本心では常に芸大に進学して絵を勉強したいと考えていました。 しかし母の圧力が強くとてもそういうことが言えるような環境ではありませんでした。 何かの圧力に屈している情けない存在の様な気がして勉強にも身が入らなかったのですが、ふとこれから先漫画家になる為にはどういった発想が必要かと考えた際に「一番漫画を買ってくれそうな読者が多い環境に自分自身をおいて読者と感覚がずれないようにしよう」と思うようになりました。 これで急激に自分自身との折り合いがつくようになり、だいぶ気が楽になったのを今も覚えています。 公立高校を卒業して私立大学に進学し、就職する。 当時関西在住していた学生の典型的なパターンを漫画作成と同時にやってみようと変な納得をして行動に移したのは父との会話がきっかけです。 まあ、現在の自分からすれば、経験として役には立ったモノの、実際に作家になるための必要な行動とはとても言えず、とんだ茶番でもあるのですが、それでも今の自分があるのは数少ない父との会話の賜物であったなあと切に思います。(母にとってはとんだ親不孝ルート選択だったわけですが)
さて、他にも印象的なエピソードがありますので、少し紹介させていただきますね。
~値段付け間違い事件~
おそらく私が浪人していた頃か大学生なりたての頃だと思いますが、朝に新聞の折り込み広告で表記価格が明らかに一桁間違っている商品を見つけました。 以前から欲しかった商品であり大体の相場を把握していたので間違い有りません。  面白がって珍しく家にいた父にそのことを話したら。急に「じゃあ、ケイタ君(仮名) スーツ来てお店に行こうか」と言い出しました。 訳わかりませんが、とりあえずスーツ姿になり興味津々で父の運転する車に乗り込みます。 すると車の中で父が言い出しました「ケイタ君、これからその広告を持ってお店に行って”この広告にあるこの値段のこの商品を売ってくれ”と言いなさい」「・・・えっ!?コレ値段間違ってるからこの値段じゃ売ってないよ」「広告に書いてある以上その値段の商品はあるはずやろ?そう言い続けたら店長出てくるからやってみろ」 
・・・正直、訳わかりません。 というか店に因縁つけてこいと言われてるとしか思えません。 全身全霊で拒否しましたところ、店の前まで行って車を素通りさせていきました。 
「そうか、イヤか?」「絶対イヤ!」「じゃあ、しゃあないけどなケイタ君」       
「やるヤツはいるぞ」  
・・・なんというか、教育だとは思うんだけどかなり嫌な緊張を強いられました。 ちなみに一桁間違っていた値段ですが、なんとなく高い方に一桁違っていたような気がしています。
~職業はスパイ~
久しぶりにあった従弟と親族の話になって「有馬家は金儲け下手だよね~」とか埒もない話していたときの事です。 「子供の頃、ボクと姉さんで政勝叔父さん(父)に聞いた事があるんだ、”叔父さんの職業ってなんなの?”って、そしたら・・・」「親父なんて答えたんだ?」「オレは”スパイ”だ!って」「は!?」「ス・パ・イ」「親父・・・訳わかんねえ」「わかんないでしょ、だから聞いたの”スパイって何するの?”って、そしたら・・・」 
「”辛い仕事だ、時には女子トイレに入らねばならないこともある”だって」
・・・・この話が20年近く前の話じゃなかったら本気でドン引きです。 残ってる資料やらなにやらから別に産業スパイでも盗撮癖の有る人物でもなかったようですのでホッとしていますが、オッサン何を言っとるんじゃと。
 このように色々と奇行・怪発言の目立つ人物でしたが、物事のとらえ方、分析の仕方は常に新鮮で面白く。 それは晩年になっても変わりませんでした。 入院以降、特に昨年3月11日震災の日に吐血したことによる急激な肺機能低下現象が起こってから、自己の健康不安に起因する周囲との感覚差・神経症的発言が見受けられるようになりましたが、父との政治や業界談義は変わらず有意義で楽しい時間でした。
父が亡くなったのが午後であった事もあり、通夜はその翌日に、葬儀はその翌々日に行われました。 式場は、生前の父自身と母の希望もあり実家で静かに家族葬としてとりおこなわれました。 ここのところ葬儀というと、どこかの会館などを借りて行われるお通夜・葬祭に参列する事が多かったので、当初は”スペース的に大丈夫か?”等と心配事ありましたが、結果的にアットホームで良かったなあと思っています。
入院したことを父は人に伝えようとしませんでした。 病状の事も人には言うなと言われていました。 昨年11月頃までは再起・社会復帰することしか頭になかったと思います。
病状の悪化が目に見えて激しくなった頃、数十年前に父の相棒として仕事を切り盛りして下さっていた方が神奈川から見舞いに来て下さいました。 大阪に住む娘に会いに来たついで・・・という嘘をでっち上げて戴き、色々探りを入れて貰いました。 「当時の仕事仲間に会いたいか?」と聞いたところ「会いたくない」と答えたそうです。 けれど最後に「オレは、あのグループの中じゃ出来悪かったんでな」と言っていたので本音がわからないともおっしゃっておられました。 動けなくなった自分を見せたくないというプライドと懐かしさと、きっと色んな感情が複雑に絡まっていたのでしょう。 また、この半年で私も知らなかった新しい側面が色々見えてきました。 私に対しての接し方と母&妹に対する接し方の違い、ぶっちゃけ母や妹には甘えているということが見えてきたり。 息子の私に対しては何とか見栄を張ろうとしているのが伝わってきていました。
そんな訳で、入院した事自体おおっぴらにせず。 ましてや死去した事もどこまで連絡すべきかわからなかったため、葬儀の事はほとんどお知らせなどしておりませんでした。 にもかかわらず、数少ないツテと妹の職場の同僚からの情報で、父の葬儀にはかつての取引先から数名の参列者が来て下さっていました。 中には全く別のご縁で私とつながりがあった方などもおられて、その方が一時期父の会社に在籍していたことがあったという話を伺って驚かされたりもしました。 死に至るまで、特にここ数ヶ月は苦しかったでしょうし、死の瞬間にも辛い思いをした事でしょう。 けれど父の死に顔は驚くほど綺麗に整っていて、最後に会っていただいた、かつての最前線で戦っていた父の姿を知る人たちにご覧いただいても、何ら遜色のない静かな表情をしていました。
父が亡くなって一月、かつての父の生活域周辺では今でも私が知らない父の記憶に出会う事があります。 クリーニング店に行ったとき、マッサージに行ったとき「もしかして息子さん?最近親父さん見ないけど元気!?」などと話しかけられ、一様に面白いだの変だの勝手な感想をお伺いする羽目におちいります。 この文章の最初の方でも述べていましたが、会った事のある私の友人達にも大概何らかの印象が残っている・・・そんな人でした。 上手く踊れなくなった親父に、死ぬ前に、言うべきかどうか悩んで、結局言えなかったのは
「死んでも記憶に残ってる」そんな感じの言葉です。 色々しゃべって、人に伝えるのが好きな人でしたから、まあ喜んでもらえるだろうと思っています。
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

冬コミどうしましょう・・・

12月29日 東Aー02a 日本ワルワル同盟 で参加しております。 さて、今回ですが前年度の冬コミで出し損ねたオリジナルの同人誌「委員長は吸血鬼」を発行する予定です。 このキャラ、微妙に設定が違いますが商業用に作ったキャラとかぶっておりまして描けるのは今回が最後かもと(^^;) その他、来春から始まる偽物語にあわせて西尾維新モノも描きたかったりするんですが、一番描きたい童女の設定がない! どうにかして下さい童女!!

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で、もしかして先日のコンテンツ文化史学会登壇で当サークルに興味を持たれた方などかおられたらどうしようと微妙に心配しております。 うちのメイン参加日が初日であり二日目の東方の日じゃないので来る人はほぼ居ないとは思うのですが、もし居たら東方関係の作品が全くないとさすがに寂しいという気もしましたのでほんのちょっとですが在庫持って行こうと思います。 夏コミに持っていく余裕無かった”古明地こいしタスキ”と、もう無いと思いこんでた”古明地さとりタスキ”。 両方揃うのは実ははじめてだ(^^;)手で持ち込める分だけだと思うけど勘弁して! それと もりやけ1.5がちょっとくらい・・・これだけはまだメロンさんにあった気がするのでそちらでもどうぞ。

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ちなみに東方プロジェクトネタで作りたい新刊本は準備期間が必要なんでとても無理。 そっちは目処がついたらまた発表します<(_ _)>

おまけ:一応12月31日 東地区 Zー47a 日本クルクル同盟 にもいるはずです。

夏コミ新刊

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夏の本の表紙でおます。 まどマギ杏子本。  今週末のうちに宣伝しとかんとと言うことで、宜しくお願いします。 場所は初日東館A-01a 日本ワルワル同盟です<(_ _)> 

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内表紙もあります。 袋の模様はさやかさんw

新連載はじまります。

こちらのブログをちっとも活用していないのでココで貼り付けてもどうかと思いますが、今月よりヤングキングアワーズ9月号から新連載をさせていただくことになりました。 タイトルは「かみわたし~神様の箸渡し~」です。 宜しくお願いします。

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ウサミミ生えてるのがヒロインのテルヒメ。 男の子はタケルくんです。 このお話、実際にある神話を元にしていますので興味有る方は調べてみてくださいねw

東方例大祭8

5月8日に東京ビッグサイトで開催される東方例大祭8に参加いたします。 前年度の古明地さとりタスキにつづいて、今回は妹の古明地こいしタスキを作成w 会場で思いっきりお祭り気分を堪能して下さいw

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で、悪のりついでに作ってみたのがこちらの痛タトゥ。
サッカーの応援宜しく、バカ騒ぎにはよいアイテムかとw

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装着例は以下のような感じでw

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あと、さすがに本も全然無いのは寂しいのでコピー誌の新刊用意しようと鋭意努力中です。 こちらは諏訪ネタ本。

明日はcomic☆1-5ですね

何とかコピー誌は出ています。 まどマギの杏子本。

あと4月28日に今年頭にやっていたホビージャパンさんのクイーンズゲイトhttp://queensblade.net/qg/ 「真田幸村」が発売されました。宜しければ見てやって下さい。

あと、ここんとこ情報はツイッターで流している方が多いです。
宜しければそちらを見てやって下さい。 ではでは。